なつきの絵本箱

子どもに読んであげてよかったと思う絵本を記録します。

Wait

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このブログを作るきっかけとなる程、感激したのが、Antoinette Portis という人が書いたWaitというこの作品。急ぐ子連れの母親に連れられた子どもが道すがら色んな小さな発見をするというストーリー。この絵本で出てくるセリフはほぼ二語だけ。それが”hurry”と”wait” 。急ぐ母親は”hurry”と子供を急かすのだけど、子供はそんな母親の気持ちを知ってか知らずか花の美しさに気を取られてみたり、店頭で飼われている熱帯魚の観察を始めたり、で、その度に”wait”と母親を待たす。

これ、子連れで歩くとよく陥るシチュエーションですね。

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この絵本は、基本的にその繰り返しなのだけど、この絵本の素晴らしいのは、この絵本に登場する子どもが発見する日常の中の美しさに、子どもに読み聞かせている大人までもが、思わずはっと目を奪われてしまうある仕掛けがあること。

その仕掛けの効果が本当に素晴らしいことと、またその仕掛けにまで持っていく伏線(!)の張り方も美しく、唸らされるほど良くできた絵本。素晴らしい映画を一本見たような読後感といったら言い過ぎかも知れないけども、そう言いたくもなるくらい感激しました。

忙しい大人たちがもう気づかなくなってしまった日常の風景に潜む美しさを子どもと一緒に再発見できる素晴らしい絵本だと思います。うちの娘には1歳半くらいから読み聞かせていて、好きな絵本のうちの一冊です。今のところ英語版しかないようですが、単語は2つだけなので英語が苦手でも楽しめます。

Wait

Wait